ヨガの種類:自分にぴったりのヨガスタイルを見つける
心と体のバランスを整え、ストレス解消、リラクゼーション、筋力強化、柔軟性向上など、さまざまな効果が期待できるヨガ。
ヨガは古代インドで生まれた心身の健康法であり、その種類は30以上あると言われています。それぞれのヨガには特徴があり、その効果や目的も異なります。
この記事では、人気のヨガからマニアックなヨガまで、様々なヨガの種類とその特徴や効果について詳しく解説します。
「ヨガにはどんな種類があるのか知りたい」「自分に合ったヨガスタイルを見つけたい」と思っている方の参考になれば幸いです。
ヨガの種類 一覧
ハタヨガ
ハタヨガは、全ての種類のヨガの原点となる伝統的なヨガで、世界中で広く実践されています。このヨガは、自分自身の心と体に優しく寄り添い、ストレスからくる自律神経の揺れやバランスの崩れをゆっくりと整えていくことを大切にしています。そのおかげで、心の緊張をほぐし、うつ病のような症状を和らげる効果も期待できます。
ハタヨガの魅力は、ポーズと呼吸に心を向けることです。しっかりとポーズを保ちながら、深くお腹から呼吸をし、心身ともにすることができます。運動量は人それぞれですが、ヨガ初心者や運動があまり得意でない方でも、無理なく楽しむことができます。呼吸と共に体を動かすことで、運動不足の解消、ダイエット効果、デトックス効果も見込めます。
「Hatha Yoga (ハタヨガ)」はサンスクリット語で、Ha(ハ)は太陽、Tha(タ)は月、Yoga(ヨガ)は結びつきを意味します。つまり、太陽と月、陰と陽など、相反するものバランスや調和を目指すヨガというわけです。
アシュタンガヨガ
アシュタンガヨガは、近代ヨガの創始者とも称されるTirumalai Krishnamacharya(ティルマラ・クリシュナマチャリヤ師)が基礎を築き、彼の弟子であるSri K Pattabhi Jois(シュリ・K・パタビジョイス師)が現代のライフスタイルに合わせてアレンジしたヨガスタイルです。このヨガは、呼吸と体の動きを一体化させ、体を活発に動かすことを特徴としています。そのため、エネルギッシュなヨガとも言えます。
アシュタンガヨガでは、太陽礼拝から立位のポーズ、座位、逆転のポーズ、最終ポーズまで、特定の順番(シークエンス)に従ってヨガを実践します。また、特定の呼吸法(ウジャイ呼吸)、視線の固定(ドリシティ)、特定の筋肉の締め付け(バンダ)といったルールも特徴的です。
アシュタンガヨガは、他のヨガスタイルに比べて動きが活発で、運動量も多いため、ダイエットに効果的な有酸素運動ともなります。筋力の向上、代謝の活性化、自律神経の安定化など、体全体の健康維持に寄与するだけでなく、ダイエット効果も高いとされています。
アイアンガーヨガ
アイアンガーヨガは、アイアンガー師が開発したヨガの手法で、体の向きやバランスを解剖学的に観察しながら、各ポーズを丁寧に実行します。このヨガは、心と体の柔軟性やリラクゼーションを追求するだけでなく、体の強さやスタミナを向上させ、体の歪みを修正することに重点を置いています。
アイアンガーヨガの特徴は、ヨガ初心者でも、さまざまなヨガ道具を使用することでヨガの効果を最大限に引き出すことができる点です。これは他のヨガスタイルとは大きく異なる部分です。また、誰でも挑戦可能で、初心者や高齢者にも人気があります。集中力を高める効果があり、自分のペースで進めることができるのも魅力の一つです。
ヴィンヤサヨガ
ヴィンヤサヨガは、アシュタンガヨガから派生したヨガのスタイルで、ポーズ(アーサナ)を連続的に行うことが特徴です。このヨガは、呼吸とポーズに意識を集中させ、自由で創造的な動きを続けることで、体をたくさん動かすことが可能です。そのため、ヨガの中でも特に運動量が多く、筋力や柔軟性の向上、デトックス効果、集中力の強化などが期待できます。
「ヴィンヤサ」とはサンスクリット語で、「(vi)特別な方法」「(nyasa)配置する」という意味があります。これは「ヴィンヤサフローヨガ(Vinyasa Flow Yoga)」とも呼ばれ、ポーズ(アーサナ)を途切れることなく続けることを指します。
ヴィンヤサヨガの特徴は、デトックス効果、集中力の向上、柔軟性の強化などがあります。これらの特徴から、体をたくさん動かしたい人には最適なヨガスタイルと言えます。テンポよく連続的に動くことで瞑想的な効果も得られ、集中力も高まります。
パワーヨガ
パワーヨガは、アシュタンガヨガを基盤に、さまざまなヨガの要素を組み合わせたスタイルで、パワフルなポーズが特徴です。アメリカ発祥のこのヨガは、「静」と「動」のポーズを流れるように行うことで、筋力や集中力の向上、ダイエット効果などが期待できます。これらの特徴から、ハリウッドのセレブをはじめとする多くの人々に愛され、90年代から世界中で人気を博しています。
パワーヨガの創始者は米国のロドニー・イー氏で、アシュタンガヨガを現代人の体型やライフスタイルに合わせてアレンジし、さまざまなヨガをミックスさせて作り上げました。ダイナミックなポーズが多く、運動量も高いため、エクササイズとしても最適です。発汗も多く、運動不足を解消し、強靭な体を作りたい人におすすめです。
パワーヨガの代表的なポーズは、足、お尻、腰、腹部の引き締め、股関節の開放、背筋の伸ばし、消化機能の向上などの効果があります。また、胸周りが伸びて深い呼吸がしやすくなり、疲労や不安を緩和する効果もあります。
ホットヨガ
ホットヨガは、温度38~39度、湿度60%前後の空間で行うヨガで、大量の汗をかくことが特徴です。ハタヨガを中心に、さまざまなヨガやエクササイズを行うこのヨガは、運動量が高く、ダイエット効果、デトックス効果、集中力の向上、ストレス解消、代謝の向上、美肌効果などが期待できます。
ホットヨガは、ヨガ発祥の地インドの気候を再現した室内で行われます。暖かい環境で体を動かすことで筋肉の緊張が緩み、体の柔軟性が高まると言われています。また、大量に汗をかくことで心がスッキリし、リフレッシュ効果も期待できます。
ホットヨガは、ハタヨガから派生したヨガの一つで、特に室温を高めにすることで、ゆったりとしたハタヨガの動きでも体温を上げ、有酸素運動の効果を引き出すことが可能です。ストレッチと呼吸法を中心に、全身の筋肉を動かしながら大量の汗と老廃物の排出を目指します。
陰ヨガ
陰ヨガは、心のリラックスと深い身体の伸展に重きを置いたヨガの形式です。主に座位や臥位のポーズが中心で、そのポーズを3~5分程度キープし、身体の深部の筋肉や腱をじっくりとほぐすことが特徴です。柔軟性を高め、運動不足を解消し、血行を促進するとともに、ストレスの緩和や深いリラックス効果も得られます。
心と身体の内側に向き合い、内観する瞑想的な面も強いため、深いリラクゼーションや自己理解を追求する人に適しています。動きの多いパワーヨガといった「陽ヨガ」と組み合わせて行う「陰陽ヨガ」で、バランスの良い体調管理が可能です。
リストラティブヨガ
リストラティブヨガは、深いリラクゼーションと心身の回復を目指すヨガスタイルです。「Restorative」は英語で「回復する」を意味し、これはこのヨガの目的をよく表しています。このヨガは、プロップスと呼ばれる補助道具を使い、ポーズを安定させつつ長時間キープします。1つのポーズをキープする時間は長いものでは20分にも及びます。
この練習を通じて、身体の深部の緊張をほぐし、心と身体を穏やかな状態に導きます。その結果、リラクゼーション効果、疲労の回復、血行促進、ストレッチ効果が期待できます。リストラティブヨガは、ストレスや疲労が溜まっている人にとって、心地良くリフレッシュできるプラクティスと言えます。
マタニティヨガ
マタニティヨガは、妊娠中の女性を対象とした特別なヨガプラクティスです。心と体の安定を促し、出産に向けての体力を育むことを目的としています。簡易なポーズと呼吸法を通じて、精神的な安定と体力向上を目指します。
これは、出産への不安やストレスを軽減し、同時に出産に必要な体力を養うのに役立ちます。また、マタニティヨガは体調の変化に対応する能力を高め、妊娠期間全体を通じて女性の心身の調和を維持するのにも貢献します。そのため、妊娠期間中の女性の心地よい過ごし方をサポートする重要な手段と言えます。
アロマヨガ
アロマヨガは、ヨガのポーズとアロマテラピーを組み合わせた、リラクゼーションと心地よさを追求するヨガスタイルです。アロマテラピーの香りは、心身のリラクゼーションを深め、さらに快適なヨガ体験を提供します。
アロマオイルの種類により、それぞれ異なる効果が期待できます。一部の香りはリラクゼーションだけでなく、集中力の向上やリフレッシュ効果ももたらします。つまり、アロマヨガは、自分の心身の状態や目指す目標に合わせて、最適なアロマを選択することで、より個別化されたヨガ体験を可能にします。
クリパルヨガ
クリパルヨガは、インドのスワミ・クリパル師が創設し、1960年代からアメリカで広まった、自己探求と意識を重視するヨガのスタイルです。「意識のヨガ」や「自己探求のヨガ」などとも称され、ヨガのポーズの完璧さよりも、そのポーズを行う間に自分自身の内面で何が起きているのかを観察し、その状態を受け入れることに重きを置いています。
このスタイルは、自分の感情や思考、体の感覚に深く気づき、それを認めて受け入れることを通じて、心身のバランスを整えることを目指します。このため、クリパルヨガは自己理解と自己受容を深めるための強力なツールとも言えます。
クンダリーニヨガ
クンダリーニヨガは、「覚醒のヨガ」とも称され、人間の内に眠る「クンダリーニ」という原初のエネルギーを覚醒させることを目指すヨガの一種です。クンダリーニは、「生命・エネルギーの根源」という意味を持つサンスクリット語で、このエネルギーを覚醒させることによって、潜在的な能力を解放するとされています。
このヨガでは、瞑想、呼吸法、マントラ(聖句)、アーサナ(ポーズ)を組み合わせた練習を行います。「火の呼吸」を通じてカラダを強靭にし、チャクラ(体内エネルギーの出入り口とされるエネルギーセンター)を活性化させることで、心身のバランスを整え、真の強さを身体的・精神的に引き出すことができます。
クンダリーニヨガは、ただ身体を動かすだけでなく、精神的な成長と自己理解を促進するための実践でもあります。
ジヴァナンダヨガ
ジヴァナンダヨガは、元医師のスワミ・シヴァナンダ師が考案し、スワミ・ビシヌ・デバナン師が現代的なヨガと医学を組み合わせて体系化したものです。
このヨガは二つの特殊な呼吸法、カパラバディと片鼻呼吸(ナディーショーダナ)、太陽礼拝、そして12種類の基本ポーズから成り立っており、ポーズの間に休息(シャヴァーサナ)を挟むことが特徴的です。
また、食生活への注目もこのヨガの特色で、全体的な生活バランスの整えに繋がります。このヨガを行うことで、リラックス効果、血行促進、体質改善、スピリチュアリティの向上などが期待でき、身体だけでなく心も健康にすることが目指されています。
エアリアルヨガ
エアリアルヨガは、ハンモックのような布を使用して行う新しいスタイルのヨガで、「空中ヨガ」とも呼ばれます。このスタイルは1991年にニューヨークで生まれました。エアリアルヨガでは、布に体を預け、ぶら下がりながらヨガのポーズをとります。
この独特な方法により、体は重力から解放され、背骨や骨盤周辺の圧迫が緩和されます。これは血行の促進に寄与し、むくみの改善にもつながります。さらに、余分な力が抜け、心身の開放感を実感することも可能です。
サップヨガ
サップヨガは、水上スポーツの一種である「SUP(Stand Up Paddleboarding)」とヨガを融合させた新しい種類のヨガです。SUPボードの上でヨガのポーズをとることで、特にバランス感覚と体幹の強化に効果があります。
また、水上で行われるサップヨガは、自然と一体になる感覚を得られ、リラクゼーション効果も高まります。さらに、ボードの上でバランスを取る必要があるため、体の各部分を均等に使うことで全体的な筋力アップにもつながります。
ジュニャーナヨガ(ギャーナヨガ)
ジュニャーナヨガ、またはギャーナヨガは、「知識のヨガ」または「知識による解放」を意味します。このヨガの形式は、自己認識と洞察を通じて真理を理解し、無知から解放されることを目指します。瞑想と哲学的な探求が主な実践方法で、自己と宇宙の本質的な一体性を理解することを目指します。
ジュニャーナヨガは、「知識のヨガ」とも呼ばれ、知識や理解を深めることを目指すヨガです。瞑想や哲学的な学びを通じて、自己理解を深め、真理を追求します。ジュニャーナヨガを行うことで、自己の内面と向き合い、自己の存在と宇宙の真理との関係を理解することを目指します。
ジュニャーナヨガはヨガの聖典を読み解き、真の智慧(ちえ)を探求していくヨガです。カラダへのアプローチではなく、「私とは何者か?」を問い続けることから、別名「智慧のヨガ」とも言われています。サンスクリット語で「ジュニャーナ」とは、「智慧」を意味しています。
ダーマヨガ
ダーマヨガは、1975年にダーマ・ミトラ師によって開発されたヨガの形式で、ハタヨガ、ラジャヨガ、バクティヨガ、カルマヨガ、ジャナナヨガを組み合わせたものです。
インドの伝統的なヨガスタイルを尊重した「シヴァナマスカーラ」を用いた練習が特徴的なヨガです。後屈系のポーズを多く用いており、練習を重ねることで、肉体的なしなやかさや強さを養い、思考もオープンになります。
ダーマヨガは体の柔軟性を高めるだけでなく、心の平和と明晰さを高め、心身のバランスを整えることで、より健康的な生活を送ることを目指します。
バクティヨガ
バクティヨガは、「愛と奉仕のヨガ」を意味し、神への深い愛と信仰を通じて心の解放を追求します。歌や祈り、祭りなどを通じて神聖な愛を表現し、自分と宇宙との深いつながりを感じることを目指します。ヒンズー教の神様のひとり、猿の姿をしたハヌマーン神はバクティヨガの象徴とされています。
バクティヨガは自分自身を捧げるという献身的な行動を通じて、自他ともに無条件の愛を持つことで、慈悲の心を育てることが特徴です。
ラージャヨガ
ラ―ジャとは、サンスクリット語で「王」という意味で、ラージャヨガは「王者のヨガ」と言われます。心をコントロールし、精神的な覚醒を目指すヨガの形です。
瞑想や心の訓練が中心となり、心の揺れ動きを静めて内面の平和と調和を実現することを目指します。このヨガは身体的なポーズよりも精神的な側面に重きを置き、心と体の結びつきを深めることを目指します。
ヨガの種類 まとめ
ヨガは一見単純なエクササイズに見えるかもしれませんが、実際には多種多様なスタイルと独自の理念を持つ深遠なる実践です。
伝統的なハタヨガ、活動的なアシュタンガヨガやヴィンヤサヨガ、現代的にアレンジされたパワーヨガやエアリアルヨガ、瞑想を中心に心の内面により重きを置いた陰ヨガなど、様々な種類があります。
それぞれのヨガの種類は独自の方法で心と体、そして精神との結びつきを高めることを目指しています。
ヨガは、体力の強化、リラクゼーション、心身の調和、自己理解、そして精神的な成長をもたらしてくれます。各スタイルが独特のやり方と目的を持っているため、自分のニーズと目標に最も一致するものを見つけてみてください。どのヨガスタイルを選んでも、その実践は自分自身への素晴らしい投資となるでしょう。心地よい呼吸とともに、あなたのヨガの旅が始まることを願っています。

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